「うん、やっぱり似合ってる。良かった」
ユキの笑顔を直視できない……っ
恥ずかしさを誤魔化すように耳元に手を触れると、感触と形からして飾られたのがお花だというのがわかる。
「デイジーだね。ヒナノちゃんに合ってるね」
「おっ、ユキからのプレゼントか!? やるじゃねえかユキ!」
「いや、これは……なんでもない」
「なんだよ! 言えよー、このこの!」
デイジーはよく知ってる。
デイジーは雛菊とも呼ばれていて、わたしの名前にも“雛”があるから。
アランに手鏡を渡され鏡で確認すると、白いデイジーがそこにあった。
ユキがどうしてわたしにデイジーをくれたかわからないけど、嬉しさが溢れて……溢れて。
「ありがとう! ずっと大事にするね……!」
ユキからの宝物。
夢から覚めてもどうかありますように。



