「ヒナノちゃん。似合ってるよ。」
ユラハの声にわたしはハッとする。
「あ、ありがとう! ユラハもすっごく似合ってる!」
「ふふ、ありがとう」
ひとつ笑ったユラハは「アラン」と呼びかける。
ユキと話してたアランはすぐユラハの元に行く。
「アラン、今日も綺麗だよ」
「ああ、ユラハも」
ユラハはアランを見つめて瞳を細める。
その目は慈愛に満ちていて、見ているこっちが照れ臭くなる。
手を取り合って微笑む姿はふたりだけの世界に入っていったみたいだ。
その光景を「はぁ」と安堵のため息をこぼした。
そして心臓の鼓動が速くなった。
あ、危なかった……!
ユキのことしか見てなくて、反応が遅れるところだった……!



