ふたりに心配かけてしまいました。
「申し訳ありま……」
「そうだアラン。敬語禁止ね。アランはもう奴隷じゃないんだから敬語使う必要なんてないんだよ」
「俺にも使わなくていい」
申し訳ありませんの敬語じゃない表現はどういうんでしたっけ……。
敬語で話す記憶しかないため、私は困惑してしまいました。
「僕やユキみたいな話し方でいいんだよ」
「……無理です。恩人と普通に接するというのはできません」
ユラハ様はそう言いますけど、どうしても私以外の皆さんは偉い人だという思考が取り払えません。
だってあなた達は私のヒーローなのですから。
敬わないわけにはいきません。
主様から解放された私はもうこれ以上望んでしまったらいけないのです。
「僕は友達になりたいよ! 恩人でもヒーローにもなりたくない! もっと外の世界のことについて教えたいし、もっと一緒にいたいよ!」
「ユラハ。アランはずっと奴隷だったんだ。いきなりどうこうできることじゃないよ」
「……ごめん。つい」
「アランもわかってるよ、ユラハの気持ち。だから仲良くなっていけば俺達みたいになれるだろ?」
ユキがこちらを静かに見て同意を求めます。



