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今までの鬱憤をぶつけるかのように膨大な魔法を使ったので、直後に気を失ってしまいました。
「……よう、アランが目覚めなかったら」
「医師ももうじき覚ますって言ってただろう。大丈夫だ」
話し声が聞こえて、私はその声に導かれるように目を覚ましました。
「アランっ!」
「……ここは、どこですか……」
「僕の家だよ。良かった、無事で……」
ユラハ様とユキ様が私が目覚めたことに安堵しています。
ふたりは私に報告してくれました。
主様が捕まって牢屋に閉じ込められた、と。
本当に解放されたのだと、この瞬間緊張の糸がほつれました。
しかし、長年一緒にいたものですから同時に哀惜の念も抱きます。
「あの、私……」
心なしか声が出しづらいです。
「アランは4日間寝てたんだよ。ユラハがめっちゃ心配してたぞ」
「ユキも心配してたでしょ。本当に言葉が足りないんだから」
声が出しづらいのはずっと寝ていたからなのだと理解できました。



