「あれは……?」
「闇の魔法使いの騎士団だよ。奴隷保護のために特別に駆り出されたんだって」
「だから魔法が効かなかったんですね……!」
「同じ闇の魔法使い同士なら魔力収奪なんて効かないからね。僕たちはアランの後を追っている最中に今の騎士団と出会して、保護の魔法をかけてもらったんだ」
だから今の僕たちはとても強いよ、とユラハ様は頼もしげに笑いました。
「……」
奴隷を保護する……主様から解放される。
夢見た瞬間がやっと来たのに、まだ実感が湧きません。
「すみません。この子にも保護魔法かけてもらっていいですか」
「あ、はい」
ユラハ様は近くにいた騎士に声をかけてくださります。私は呪文を唱えられ、透明なベールに包まれました。
「魔力収奪の保護魔法です。もう魔力が奪われることはありませんよ」
「ありがとうございます……」
すると、その騎士の後ろに暴れまわる主様たちが魔法を乱暴に使ってらっしゃいます。
飛び火で私達にも攻撃が当たりそうになって、私は騎士とユラハ様を守るように前に出ました。



