元気ピンピンで、闇の魔法が効かなかったのだと気づきます。
しかし、どうして魔法が効かないのか理解できませんでした。
「アラン! 待ってて!」
「……っ」
何故かこの声を聞いたら安心してしまいました。
ああ。あなたはいつも私の心を汲んで、救ってくれますね。
「ユラハ様ーっ!!」
──私は、ここにいます。
ユラハ様は私に気づくと、一目散に駆けつけました。
「後を追ってよかった! アランが主? と一緒に歩いていたから嫌な予感がして……それに」
「つい数日前、新しい王が即位したんだ。それで奴隷制度を廃止すると正式に決まって昨日施行された」
ユラハ様の後ろにいたユキ様がそう言います。
奴隷制度を廃止する……?
夢でも見ているのかと思いました。
「だから今はトラオムの魔法使いは奴隷を所持するのは禁じられている! アランの主は罪人だ!」
ユキは明るい表情で高らかに言い放つと、大勢の武装集団が主様に突き進んでいきました。



