闇の魔法使いが醜い。
醜くてたまりません。
──私は一体何をしたのですか?
どうしてこうなってしまったのですか……?
──私の人生はなんだったのでしょうか?
震える身体中が叫んでいました。
──もっと自由でいたかったです。
太ってる新しい主様が私の髪に触れようとしました。
……っ、来ないでくださいっ!
わたしは大声で呪文を唱えました。
反射的に新しい主様を拒否したのです。
ああ、奴隷のくせに欲望が芽生えてしまいました。
ユラハ様とユキ様みたいに、もっと外の世界を知りたくなってしまいました。
私は魔法で圧縮した水を線状にして、新しい主様に勢いよく放ちます。
その途端に魔力が消えていくのを感じました。



