あの夢の続きをもう1度描けたら


ユキ様は外の世界にある食べ物や飲み物。街の特色などを教えてくれます。

そして最後には『闇の魔法使いから見つかりそうになって急いでそこから離れた』という残念な結末を持ってきます。

それすらも楽しんで話しているのですから、私まで笑ってしまいそうでした。


『フロース・ボワーレ』


一方、ユラハ様は魔法で時には赤い花を、時にはオレンジの花を、時には紫の花を。

外で見つけたお花を見せてくれました。


『ね、綺麗でしょ? アランに似合ってるよ』


魔法で作った花をわたしの耳元に飾り付けて、王子様みたいな微笑みをこぼしてくれます。


──今日はどんな花を見せてくれるのでしょうか。


私はお花の話をするユラハ様の表情を見るのが、いつしか楽しみになったのです。

今日は雨ですがユラハ様とユキ様から外の話を聞きたいと思ったその時でした。


「アラン・ノディ・ガイア」


久しぶりにフルネームで呼ばれました。

一瞬、自分が呼ばれたのがわかりませんでした。

機械的に立ち上がり、主様のところへとことこ歩いていきます。