「ねえ、僕は君と対等な関係でいたいよ。奴隷と主人の関係なんて死んでも嫌だから」
ユラハ様が切実に訴えてきます。
自分のために、心配してくれたり優しくしてくれたり叱ってくれたり……大事に思ってくれてるのが伝わります。
生きててよかったってそう思えました。
「テメーら! さっきからうるせーぞ!?」
「……! 逃げてくださいっ!」
主様の声です。見つかったら、ふたりが奴隷どころか殺されるかもしれません。
「……また来るから。ユラハ、行こ」
ユキ様の促しにユラハ様はコクリと首を縦に振って
「もし助けが欲しかったら僕とユキの名前を叫んで。いつだって駆けつけるから」
最後にユラハ様がそう言い残してユキ様と一緒に去っていったのです。
***
その日は雨でした。
奴隷達で暮らす洞窟の奥。外の雨は酷く、遠くから雷鳴が聞こえます。
あれから私は隙を見て逃げ出しては、ユラハ様とユキ様が外の話を聞かせてくれました。



