私はずっと奴隷として生きてきました。
主様の所有者としてしか生きられなかった私は“アラン”としての人生を歩んだことがありません。
だから外の世界に出たとして、どうしたらいいのでしょうか?
「……じゃあさ。俺達が見てきたことを話していくっていうのはどうだ? そしたらお前も恐怖よりも好奇心の方が強くなるだろ?」
「それいいね!」
提案してくれたのはユキ様でした。
ユラハ様も大賛成、と嬉しそうに頷きます。
どうして。
なんでそんなに優しくしてくれるのでしょうか……?
「ぅ……っ」
「辛かったんだね。もう大丈夫だよ」
「うわぁ〜っ」
ユラハ様は私のそばに座り込んで、そっと頭を撫でてくれました。
とても居心地が良くて、幸せで。
「ユラハ様みたいな主様なら、奴隷でも良かったのに……」
笑顔と共に零れた言葉でした。
ユラハ様も喜んでくれるかと思いきや、思いっきりしかめっ面をしてしまいました。



