自由を取り戻したい私は手を取りたくて仕方ありません。
こんな足枷とか手枷なんて放り投げて逃げ出したいです。
ですけど、ここから逃げる方法も勇気も私にはありませんでした。
「私のことは、どうか放ってください……」
起き上がれない身体のまま、私は涙を流しました。
ふたりは案の定苦しそうな顔をしました。
ですが、私にはこうすることしかできません。
「私を助けようとしたら……主様に殺されます……だから、どうか逃げて……」
全身の痛みが止まらなくても、私はふたりには無事でいてほしいと強く願いました。
奴隷の私にも心配してくれる優しいふたりが奴隷にでもされたら、それこそ……
今度こそ生きる意味を見失います。
「私の分まで……自由になってください……っ」
幸いにもふたりは奴隷ではありません。
だから外の世界をもっと知って、自由に生きてほしいです。



