その直後、わたしの頭上に大きなドラゴンの攻撃の残骸が通りかかった。


わたし、助かった……?

胸に手を当ててみると、心臓の鼓動を確かに感じる。


地面にくっきり残った跡を見て、攻撃が当たらなくて良かったと強く安堵する。


敵が増えてしまったと大きなドラゴンは怒り狂うようにどんどん氷を生み出して攻撃してきた。

このドラゴンは氷を作り出すのが得意なようだ。


目の前の男性は構えを取り、ドラゴンの攻撃を次々と交わしていく。

そうしていると、ドラゴンの標的はわたしから彼へと変わった。


「大丈夫か!?」


男性はドラゴンからの攻撃を剣で裁き続けながら、声を張り上げて聞く。


「は、はい! 大丈夫です!」

「ならいい!」


男性はしなやかな剣捌きで氷を相殺し続ける。

何もできないわたしはただ戦いの行方を見守るしかない。