これが、ニゲラの魔法なんだ。
「ヒナノ! ニゲラってすっげーのな!」
「無事で本当によかった……っ」
「オメエこそ、魔法使えたんだな。見えてたぜ。よかったな!」
「ありがとう……!」
わたしは感謝でいっぱいだけど、同時にある気持ちも止まらなかった。
「ごめんなさい……わたしのせいで。ニゲラがいなかったら、わたし……っ」
頭を下げる。
わたしがここに来なきゃこんな目に遭わなかったのは変わりない。
皆と一緒に戦いたい想いは残っているけど、迷惑をかけたくない。
「もし嫌だって思ったら、もう皆の前に現れな……」
「ヒナノ」
ユキが優しく呼んだ。
その声が自分の心に寄り添ってくれているかのようで、わたしは胸が痛くなる。
だめだ。泣きそうだ。



