「そっか……本当に良かった……」
わたしのせいで取り返しのつかないことになったら……そう思うだけで押し潰されそうだ。
ユラハの怪我が治ってよかった……。
安心するがあまり、わたしは脱力してしゃがみ込んでしまった。
騎士団長が与えてくれたチャンスを無事に勝ち取り、騎士団は撤退してくれた。
その直後、わたし達はアランとニゲラと合流した。
「アラン……っ」
「あー、ちょっと怪我しちまったわ!」
アランは腕に大きな切り傷を負っていた。
おどけて笑っているけど、痛みを我慢しているのは目に見えることで。
罪悪感で胸が押し潰されそうだった。
「クゥーっ」
すると、ニゲラが鳴いた。
そしてミントグリーンの淡い光を作り出し、それがアランの傷を覆う。
「……!」
光が消えたら、痛々しい傷が綺麗に無くなった。



