“死”
脳裏に危険信号が響き渡る。
わたしは、どうしたら……。
呆然としていると、騎士のひとりがわたしに勢いよく進んでいく。
逃げたらみんなは助かるのかな?
──どうしよう。
ユラハはどうなっちゃうの?
──どうしよう。
もうみんなに会えなくなっちゃうの?
──どうしよう。
どうしたら魔法を使えるようになるの?
──どうしよう。
今ここで決めないと。
このままじゃ……後悔する。
「アンフェンガーリン!」
ただただ情けない声で叫ぶ。
なのに光が一向に現れない。
「未熟者!」
わたしはただただそう唱えることしか知らなかった。



