ニゲラはきっと人の心に敏感なんだろう。
わたしは自分の気持ちをひとつひとつニゲラに零してみることにした。
今は誰かに甘えたかった。
「あのね、光の魔法使いなのに魔法を使えないのは宝の持ち腐れだって、ユキに言われた」
ユキは悪意があって言ってたわけじゃない。
でも、今のわたしの状況を当てはめるならこれが適切だからユキの言葉を引っ張った。
「それにわたしはここの住人じゃないの。今みたいに迷惑かけるのなら、ここに来ない方がいいんじゃないかなって思っちゃったんだ」
わたしは守られたくてここに来たわけじゃない。
この夢みたいな出来事の真相を突き止めるために通っているんだ。
だからここに長くいるためにも魔法を教わって、たくさん知ろうと思った。
でもわたしは何故か騎士団に狙われてて、魔法もまだ全然うまくできなくて……迷惑ばかりだ。
だったらここにいない方がいいんじゃないのかな。
……でも。
ユキ、アラン、ユラハ。
3人の良いところをたくさん知れた。もっと一緒にいたいって思えるくらいたくさん知れた。



