「え……」
突然のことにわたしはパニックになって、頭が真っ白になる。
わたしまだ魔法が使えないんだけど……!
「汝のレーヴを借りて紅の剣となす」
ユキとユラハとアランはしっかりと応戦モードになっていて、わたしだけ置いてけぼりだ。
ユキは何かを思い出すかのようにわたしに近づく。
「ヒナノ。ここに隠れといて」
「……うん」
「おう、ニゲラもいるし心配いらねえよ。ヒナノはここで待ってろ」
ユキはわたしを陰に移動させると、すぐさまユラハとアランのところに戻っていった。
「クレアツィオ・イッヒ・ゼルプスト!」
ユキ達は強い。だから心配はいらないの。
でも……でも……
「ニゲラ……わたしってお荷物だよね」
3人への申し訳なさに潰されそうだった。
ニゲラは眉を下げて心配そうにわたしの顔を覗き込んだ。



