お金のことを気にするユラハの発言だったり、ちゃんとマイバックを持っているあたり、なんかお母さんみたいだ。
卵を買うだけの用事だったので、後は帰るだけだと皆で来た道を戻ろうとすると……
「おーい! 嬢ちゃん!」
「この間の……! ってニゲラ!?」
あの時のリンゴ屋さんのおじさんがやってきた。
しかもニゲラが小さな翼をパタパタ羽ばたかせておじさんの後ろにいる。
どこにいるかと思えば、こんなところにいたんだ。
「ニゲラじゃねーか! またおっちゃんからリンゴ貰ってんのか!? 良かったじゃねーか!」
「クゥーっ」
リンゴを美味しそうに頬張っていて、ニゲラはどうやらリンゴが大好物らしい。
ニゲラはアランにも懐いているようで、嬉しそうに鳴いた。
あの後はおじさんに「リンゴあげるから、お世話任せてもいいか?」とニゲラをわたしに預けてくれた。
帰り道はニゲラも加わって、1列で歩く。
「良かったね、ニゲラ」
ユラハがニゲラの頭にぽんと手を乗せて嬉しそうに撫でる。あまりの可愛さに撫でる手が止まらないようだ。



