「ユキは今年どんな格好すんだ?」
「別にそんな大した服は着ねえよ」
アランとユキの顔を見て、ふたりのドレスアップ姿を想像してみる。
ユキはどんな色が似合うのかな。
どんな色でも似合うんだろうな。
白と黒だったら白のタキシードかな。
それで、あわよくば結婚式でわたしをエスコートしてほしい……って!
わたしは何を考えているんだ……!
まずユキがわたしなんかと結婚するわけないし!
わたしの知らないべっぴんさんと結婚するに決まってる。
「……」
心の中で言い訳するのも虚しくなってきた。
煩悩を消し去るかのように、今度はアランのドレス姿を想像する。
オレンジと紫のドレスを持ってて、オレンジを譲ってくれるって言ってたから、紫のドレスを着るんだろうな。
赤毛の綺麗な長い髪をアップして……うん、絶対に綺麗だ。



