あの夢の続きをもう1度描けたら


「これは……!」


口に入れた途端、りんごの甘さがジュワッと広がっていく。

いくらでも食べられそうなくらい美味しい。


アランがユラハの分まで食べたくなるのがわかるぞ。

夜ご飯を作るって言ってたし、ユラハって料理上手だったんだ……。


「というか、なんでそんなにあるの?」


ザッと見渡す限り、ホールサイズだけでも4つはある。

こんなにもアップルパイが多いとなると、わたし達だけで食べられるか不安になってくる。


「ほら前に、ニゲラにりんご買ってやったじゃん。あれが余ったんだよ」

「あれ、そういえばニゲラは?」

「先週どっか行っちゃったきり見てないぜ。ヒナノがあんま来ないから寂しくなっちゃったんだと思う」


確かにわたしはトラオムにあんまり来てないからな。

トラオムに行った後、目が覚めて学校に行くというのを毎日続けられるわけがない。

だから1週間に1回か2回までに留めているのだ。


「ニゲラ大丈夫かな……」


だがわたしが来てない間もニゲラがアラン達と会っていないとなると落ち着かなくなる。