「おーい! ユラハ早く食べよーぜ!!」
「はいはい、わかってる! ほら、みんなで食べたいからって、お腹空いてるのに待ってる人もいるしさ。行こう?」
部屋にいるアランの声に対して大きな声で答えたユラハはわたしににこりと笑いかける。
頷いたわたしはユラハと一緒に中へ入った。
リビングルームに着くと、ユラハは持っていたアップルパイを机に置いて、キッチンに行く。
そして、出来たてアップルパイも加えて置いた。
しかしユラハはアップルパイを食べずにまたもやキッチンに戻っていった。
「お、やっと来た! 早く食べよーぜ!」
アランとユキは早く食べたいからか、大人しく座っている。
微笑ましくなったわたしはユキの隣に腰掛けた。
「ユラハの分も食べていーい!?」
「いいよー。僕は晩ご飯作ってるからー」
キッチンから聞こえた声が止んだ途端に、アランはアップルパイを切り刻んで、口に運んだ。
ユキもアランと同様に、ホールサイズの8分の1ぐらいの大きさで切り取って、黙々と食べる。
美味しそうに頬張るユキとアランに誘われるように、わたしもアップルパイを食べ始めた。



