「久しぶりだねお兄ちゃん!」


朱里は頻繁にメッセージを寄越していた。
もちろん電話も月に二度くらい両親と連絡をとるついでにしていたのだが、メッセージに関しては何気なく撮影したような画像を添付して三日に一度は送ってきている。
頑張って作った夕飯とか、新しく買ってもらったワンピースとか、珍しい虫を見つけたといって蛍光色の芋虫を見せられた時は流石に顔が引きつったが。

そんな中で、時折友達や両親と写った画像を送ってくることもあった。
朱里がいつも楽しそうに笑っているものだから、その度元気そうで何よりだと俺まで自然と笑みを浮かべていて、だけどこうして直接顔を合わせてその笑顔や機械を通していないソプラノボイスを前にすると、やはり心底から安堵できる部分があった。

数ヶ月前にあんなやり取りがあったなんて、夢だったのではないかと錯覚してしまうような安らぎすら込み上げてくる。
その一方でそれを幻想のように扱う自分に嫌気がさした。