悲しい夜は、何度だって君に会いに行く

「生きててよかった……」


彼は、わたしの左手をしっかり握ったままわたしを抱きしめた。


それはまるで、わたしの存在を確かめるかのように。


「生きててよかった……」


再び彼がそう言った時、わたしの頬には雨とは違う、暖かい水滴が落ちてきた。


彼のすすり泣く声が聞こえて、わたしはさらに強く抱きしめられた。


なんで泣いてるの。
なんで、わたしを助けたの……。