【完結】吸血侯爵と没落メイドの囚われ初恋契約


「お前、先日私に外出について二、三言ってきたのは、もしやルネリアに何かするためじゃないだろうな」
「ふふ、当たりだよー! だって城に入った瞬間、燃やされちゃうもんねー!」
「貴様……!」

 グレンは少しでもキャロラインに頼ってしまったことに激しく後悔をしながらも、キャロラインに再度明確な殺意を発する。しかしキャロラインは変わらぬ態度で話を続けた。

「だってさあ。今までずーっと使用人雇わなかったグレンが、突然侍女を雇ったって聞いたんだもん。それで次に宝石とかお花とかドレスとか沢山買い始めたっていうし。そんな面白そうなこと気にならない訳なくない? それに気にしてるのは僕だけじゃないからね? 他の令嬢たちは憧れのグレン様に恋人が〜なんて言って勝手に噂始めちゃってるし。そういうこそこそする感じより僕のがマシじゃない? 実際に自分の目で確かめに来たわけだし、不純な恋愛感情じゃなくて、僕は純粋で清らか〜な好奇心だし!」

 キャロラインが意地悪そうな笑みを浮かべて、グレンは嫌な予感を覚えた。グレンの知るキャロラインは、一言で表せば「女の嫉妬した顔、傷ついた顔が大好きな男」である。キャロラインの幼き頃をグレンは知っているが、一番記憶に古いキャロラインは、令嬢が己に嫉妬し、傷つく様子がどれほど可愛く、そして自分が興奮したのかを熱心に語る姿だった。