【完結】吸血侯爵と没落メイドの囚われ初恋契約


 そして、今現在自分は、そんな二人の邪魔になっているのだと。ルネリアの熱を持つ頭とは反対に、身体が静かに冷えていく。どこに立っているのかの感覚も鈍くなってきて、ただ俯いていると、恐ろしく低い声がグレンから発された。

「キャロライン。お前はそんなに死にたかったのか」

 グレンが静かにキャロラインを睨み付ける。その目には明らかな殺意が込められていて、ルネリアは背筋が凍った。自分の、幼馴染。ましてや令嬢に対して、グレンがこんな物言いをするなんて信じられなかった。

 なぜ目の前のグレンはそんな乱暴な言葉を発しているのか。目の前のグレンは一体何なのか。ルネリアの熱を纏った頬が瞬時に冷え、恐る恐るキャロラインのほうへ顔を向ける。するとキャロラインはグレンの殺意など一切気にすることなく彼を見て、けらけらと笑っていた。

「やだなぁグレン。そんなこと女の子に言う男なんて、最悪だってルネリアちゃんに嫌われちゃうよ」