ルネリアは後悔に苛まれた。グレンは自分に同情をして、ドレスを贈ってくれただけだ。王家から疎まれ、財産も何もかもを失った家の娘だからとドレスを与えた。
しかし、傍から見ればどうだろう。使用人に主人がドレスを買い与えるなんておかしいことだ。まるで愛人として囲っているみたいだと言われてもおかしくない。そういったことを考えず、グレンに贈られたドレスを着て、あまつさえ心を明るくさせてしまったことをルネリアは悔やんだ。
自分の浅はかさのせいで、主人である、支えるべきであるグレンを辱めている。どうして今までそれに、出発する前にその可能性を考えなかったのだろう。どうみられるのかと思わなかったのだろう。そう考えて、ルネリアの心はどんどん沈んでいく。
ぐっと、ルネリアが唇を噛みしめると、キャロラインはより一層嬉しそうに笑って、今度はグレンのほうに近づいていた。
「ねぇ、ルネリアさん。私たち、幼いころからずぅっと一緒だったの。でも、最近はグレン様は侍女の方が新しく入って忙しいからと、会えていないのだけれど……」
キャロラインはグレンに寄り添うようにして立ち、グレンの腕を取りながらルネリアを見た。その意味合いを、ルネリアは瞬時に理解する。きっと、二人は恋人同士か、もしくはそれに近しい、お互いが気持ちを伝え合えばすぐに関係に名前がつく二人なのだと。



