「でも、ルネリアさんって侍女の方なのね。ちょっと驚いてしまったわ」
「えっ」
「だって、とってもいいドレスを着ているんですもの。どこかの令嬢の方かと思いましたわ。まるでグレン様の恋人みたいで、」
「キャロライン!」
キャロラインの言葉に、ルネリアは顔がかっと熱くなるのを感じた。グレンがキャロラインに一喝するのも、どこか遠くに聞こえていく。それは、グレンとの関係を恋人のようだと揶揄された気恥ずかしさではなく、使用人と主人であるのに、その関係を逸脱するような。まるで愛人だとでも言うような、辱めのような意味合いをキャロラインの言葉の端に感じたからだ。
「キャロライン、お前一体何の目的でここにいるんだ」
「ふふ、ただのお買い物だけれど?」
グレンとキャロラインの問答をよそに、ルネリアは黙って俯いていく。
(グレン様に頂いたドレスを、着るべきじゃなかった)



