しかし今日、ルネリアは綺麗なドレスを着ることに対して、まるで自分が生まれ変わったような、淡くきらめくような感動を覚えた。醜いはずの自分が、昨日より普通の人間に近づいたような、ルネリアはそんな風に思ったのだ。
「なんていうか……、こんな風にドレスを着ることなんて、一生無いと思っていたので……。グレン様に頂いたドレスを着て、その、気持ちが明るくなりました。ありがとうございます」
「分かった、今日はこの街でお前の気に入ったドレスや装飾品、靴を買い占めて歩く日にするか。俺が城にいるとき頼んできても構わないが、やはり実物を見るのは違うだろうしな」
ルネリアの言葉にグレンが時間を置かず即答した。ルネリアはグレンのあまりの言葉に、そして明らかに嘘偽り、そして冗談ではないことに大きく慌てた。
「いえ、そんなつもりで言ったんじゃないんです! 私他にドレスが欲しいわけじゃありません。それにドレスならクローゼットにもいっぱいです……」
「貴女にそんな気がなくとも俺はその気になった。貴女が俺をその気にさせた。自分の言った言葉に責任を持て。それにクローゼットがいっぱいなら別に保管場所を作ればいいだけの話だ。部屋は増設ができるし、ああ、貴女専用の部屋を作ってやろうか。使用人として、貴女には俺から報酬を受け取る義務がある。それを受け取る場所を作るのも、また使用人の主である俺の仕事だ。今お前のクローゼットにあるものなんて、そんなに感謝するほどの量ではない。それとも貴女の衣装を入れる城を作るか。そうしたら各部屋をお前のドレス、靴、装飾品、他の衣服など、貴女がいっぱいなんて容易く言えることもなくなるだろうああ、それがいい、良さそうだ。どうせ増えるものだしな。今から先手を打っておいたほうがいい」
「グレン様、私はそんなに良くして頂いても、お返しが出来ません」
突如饒舌に喋りだしたグレンに戸惑いながら、ルネリアは首を何度も横に振る。グレンはルネリアの口から「恩」と聞き、ある程度興奮した様子から落ち着き始める。



