「ありがとうございます! グレン様!」
「構わん。髪は自分で出来るか?」
「はいっ!」
ルネリアは何度も頭を下げ、グレンにお礼を言う。その姿を見て、次からはきちんと留め具の位置を確認してルネリアに物を贈ろうと固く決めながら、グレンは自分の部屋へと戻った。
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それから、二人はお互い出発の支度をして、メアロードの街へと出た。城から街へはグレンが辻馬車を手配し、墓地や崖、暗い森、荒れ地など、おおよそ景色がいいとは言えない車窓を眺め街に着き、二人が馬車を降りた頃には昼も近い時間帯となっていた。
「ここが、メアロードの街なんですね」
メアロード領の街並み、そして規模は王都の中心街と変わりがない。王国からの使者や泊まる高級宿から旅人が寝泊まりする安価な宿。一見お断り、価格相場も大衆食堂の何倍もするレストランは勿論、普通の食堂もあれば、広場には異国の料理が味わえる屋台も立ち並んでいる。
仕立て屋も注文する店から既製品を買い付けることが出来る店もあり、宝石店も多く立ち並ぶようなドレスや装飾品を取り扱う店が立ち並ぶ通りは、歴代の王家で最も美的感覚が優れた王女の名前が付けられており、淑女たちが彩るように行き交っている。



