「もしかして……あんな城に閉じ込めて、外に出さないつもりー?」
「そんなことはない!」
キャロラインの挑発に、グレンは瞬時に反論した。キャロラインはその反応を見て面白がるようにさらに口角を釣り上げ、扇子で自身を扇ぎながらグレンを見る。
「でも、街を案内したこともしていないでしょう? 可哀想〜ずっと今まで王都にいて、城に閉じこもりきりだなんて……。ねえ、グレン様知ってる? 人間という生き物は、わたくしたちとは違って、日の光に当たらないとどんどん衰えて、心が弱っていくものなのよ? ねえ、グレン様。侍女の方はメアロードの城に来て、もうどれくらい監禁されているの……?」
キャロラインの言葉に、グレンは顔を青ざめさせた。グレンはルネリアが訪れて、どれくらい経過したのかを秒刻みで把握している。しかし、どれくらいで人間が城に閉じこもり、心が安らかでなくなっていくかをグレンは知らない。
グレンの顔色がどんどん悪くなり、その視線が地の底へと落ちていくのをキャロラインは見つめていると、その紅を引いた唇に弧を描いた。



