「はぁ……良かった……。ありがとうございます。グレンさまっ」
「お前というやつは……、本当に……懲りないな……そのうち刺されるぞ」
グレンは呆れ顔でキャロラインを見る。キャロラインとグレンは、家同士の繋がりが深かったことで顔を合わせる機会が多かった。
そしてキャロラインが何かを起こすたびに、グレンは今のようにその始末を行っていたのである。グレンは再三キャロラインに注意をしてはいるものの、キャロラインが大人しくなる気配は全くと言っていいほど見えない。現に今もキャロラインは全く反省するそぶりを見せず、グレンから腕を離すと「そーいえば!」と明るい口調で口を開いた。
「グレン様がご自身のお城にお招きになった元貴族の侍女の方は、今どんな様子なの?」
「……お前に言う必要はない」
グレンは口を真一文字に引き結ぶ。キャロラインはそれが面白くなかったのか、つまらなそうな顔をした後、口角を歪に上げた。



