「……はぁ」
グレンはため息を吐きながら、今度は肩を落とした。その脱力した背中に、肩に揃えた亜麻色の巻き髪を揺らしながら、ある一人の人物が近づいていく。
「あら、グレン様、お久しぶりです」
「……キャロライン」
グレンに臆することなく近づいていくキャロラインは、淡い儚げな薄紅色のドレスの裾を摘まんでグレンに礼をするやいなや「ちょっと助けて頂けますか?」と甘い声でその黄金色の瞳に三日月を描く。グレンは「またか」とため息を吐いて、自分の腕を差し出した。
キャロラインは、にっこり笑ってグレンの腕を取った。するとキャロラインが現れた方向から、一人の男が顔を真っ赤にしながら慌ただしく駆けてくる。グレンとキャロライン、まるで寄り添う夫婦のように二人で花々を眺める姿を見ると、男は戸惑い、先ほどまでの怒りが嘘であったかのように足早にその場を去っていった。



