そして迎えた初日、初日は良かったとグレンは思い返す。ルネリアが感謝をしてこなかったからだ。ルネリアは終始グレンに、そしてグレンの提示した条件に怯える様子を示した。そしてグレンは痛む気持ちを覚えながら鼻で笑ってみたり、解雇をちらつかせたりした。
しかし二日目から、どんどんグレンの計画は狂った。成功していたと考えたグレンの初日。しかしその初日の礼を、ルネリアは二日目にしてきたのだ。さらにルネリアが初めて出会った時の薔薇の、その鉢植えを持っていると知って温室に案内すると、ルネリアはまた感謝をしてきたのである。
温室は、グレンがルネリアが来るからと用意したものだった。気味の悪い男と二人暮らしをしなければいけないルネリアの心が壊れないよう、気の休まる場所になればいいと、材料を運び、設計図から何から全てグレンが制作し、建築したものだ。製作期間は二日で、硝子張りではあるものの、何かしらの揺れや風、攻撃や放火などでルネリアが傷つかないよう、あらゆる攻撃を想定し、硝子も特殊な硝子を使用したもので、耐久は王国軍の要塞に相当していた。
耐久性を披露すればルネリアの安心に繋がるが、それをルネリアに言ってしまったら感謝されてしまう。ルネリアはお礼をしようと考えてしまうかもしれない。そう考えてグレンは黙っていた。



