【完結】吸血侯爵と没落メイドの囚われ初恋契約


 きっぱりとルネリアの告げた言葉に、グレンの瞳が大きく見開かれる。そしてルネリアの肩を押さえていた手は徐々に力を失い、とうとう彼女の華奢な肩からグレンの筋くれだった手は離れていった。ルネリアはまた、血に染まったグレンを拭う。グレンはずっと、言葉を飲むようにして黙ったままだ。

「私が、頼りないことは分かります。だから仕事を任せられないのだと。確かに私は元貴族で、侍女としてどこかで勤めた経験はありません。出身も王都で、グレン様たちに守られて生活をしている立場でした。しかし今は、グレン様の侍女です。グレン様のお役に立たせては頂けませんか……」

 ルネリアが、懇願するように呟く。するとグレンはルネリアを見て声を振り絞った。