「駄目です。式が遅れてしまいますよ」
「む……」
ルネリアの言葉に、グレンは少しだけ眉間に皺を寄せる。するとルネリアはそんなグレンに寄り添うようにして隣に立った。
「それに、私は早く、グレン様と式を挙げたいです」
「う、う、それは俺も同じだ。早くルネリアと結婚したのだと領民に、いやこの世界の生き物に知らしめたい……誰にも、俺しか手の届かない存在だということを知らしめて……」
グレンは顔を赤くしながら、僅かにほほ笑む。その瞳は執着の色に似た昏さもあるものだ。しかしルネリアはグレンがどんな表情であっても愛おしいと感じ、その胸をときめかせる。



