「なぁ、変じゃないか? 大丈夫か? 俺はきちんと貴女の隣に相応しい状態になっているか?」
グレンは先ほどから、領民の前で「これから俺に婚約者を勧めた者の家を燃やす」と冷たく言い放った姿が嘘であったかのようにおろおろとして、鏡を見ながら身体を左右に揺らし、襟を整えては鏡を見つめることを繰り返している。
「素敵です」
「うっ、そ、そうか……あ、貴女は世界で一番美しいし、か、可愛いぞ」
「ありがとうございます」
グレンは唇を噛むようにしてルネリアを見る。
今ルネリアとグレンが立っている教会は、グレンが七日間をかけ作った手製のものである。しかしその作りも装飾も王都のどの教会よりも立派なもので、何かあったらいけない、万が一にも備えたいというグレンの想いによって、相変わらず不要な軍事施設ほどの強度を持っていた。



