【完結】吸血侯爵と没落メイドの囚われ初恋契約


 というメアロードの新聞の、読者投稿欄で名を馳せ職人と呼ばれている者の投書が有力視され、今ではそれが真実であるかのように語り継がれている。

 そしてルネリアの風評は、王都でも回復しつつあった。貴族たちはルネリアがいつも流行遅れの服を着ていたことや、その印象がほぼないこと。姉から一度も妹の話を聞かないこと、身体に痣をつけているのを口にし始め、それは噂となり加速をつけて広まり始めた。

 平民によるルネリアが紹介所の、決して衛生面では整っているとはいえないところでも平気で寝泊まりしていたこと、硬いパンを平然と食べていたこと、汚れを気にしていなかったという平民たちの言葉も、噂を補強するように働いた。そうしてルネリアに対する周囲の認識は、加害者の妹から可哀想な関係者に変わっていったのだ。

 そんな悲劇の女性ルネリアが純白のドレスに身を包み、これから式を挙げる教会のバルコニーで嬉しそうに見つめるのは、同じように純白の正装をしたグレンであった。