しかし、二人は契約を果たした。
キャロラインは、自身に二人の幸せを祈る権利はないと、自分で思っている。キャロラインは自分の目的のため宰相の命に動き、二人を利用した。
そしてそのことを悪いことだと知識としては判断しているが、悪いことであるとキャロラインは受け止めていない。目的のためならば、手段は選ばない。キャロラインはそう決めて生きている。生きているからこそ、今まで多くの屍を乗り越え、こうして宰相の命に応じて、友とその想い人を売ったのだった。
「それに、僕なんかが祈らなくても、二人は幸せになるだろうしね」
キャロラインは、思い出すように笑い、空を見上げる。その空は晴れ晴れと澄み渡り、雲一つない青空が広がっていた。



