ルネリアが運ばれた場所はキャロラインは知っていたが、物事には段取りがある。救援を呼ぶ速さもグレンに怪しまれてはいけない。本来ならグレンと共にルネリアが攫われた場所に行くはずが、置いて行かれてしまったのである。
二つ目は、グレンがキャロラインや兵士に炎を向けたことであった。元はといえばキャロラインが渡したチケットのせい、となることはキャロラインも想定していた。しかしその場で炎を向けるほどグレンが怒りで我を忘れるとは想定していなかった。あの時、ルネリアが止めなければ間違いなく自分は死に、王城ごとグレンは燃やし、今頃ただの灰になっていたはずだった。
そして最後に、ルネリアとグレンが契約をしたことだ。キャロラインもダリウスも、メアロードの血が受け継がれていくことを願いっていた。しかし、まさかあの場でグレンが撃たれ、ルネリアが自決して見せることで契約をグレンにさせるとは思っていなかった。ルネリアがたとえ頼んでも、理由をつけて断り続けるか、それこそルネリアが老成して、死が近くなるまでグレンは絶対に契約をしないと思っていた。それほどの覚悟をグレンはルネリアに持っていたはずだった。



