【完結】吸血侯爵と没落メイドの囚われ初恋契約


 それは幼いころからグレンを知っているキャロラインも同じで、求めているものが何かわからず、安易な気持ちで物を頼めない危うさがグレンにはあり、宰相からグレンに呪具の破壊を命令することは容易ではなかったのである。

 それに加え、王家との繋がりも邪魔をしていた。下手にこちら側に落ち度を作ったうえで破壊をしても、時間をかけ、また何百年という月日を経て呪具を新たに作られることはあり得ることで、宰相はすぐそばで呪具に働きかけられる立場でありながら、手出しを封じられているような状態だった。

 しかし、そこにルネリアが現れたのだ。

 グレンはルネリアが没落したと知るなり豹変するように、まるで水を得た魚のようにルネリアに尽力し始めた。一方ルネリアの姉マリアは王太子と共に城の一室へ軟禁された。そして宰相は、今回の計画を思いついたのだ。