【完結】吸血侯爵と没落メイドの囚われ初恋契約


「侍女ルネリアには、姉と両親、廃太子も死んでないよう言ってしまいましたが問題ありませんか? グレンには自分から殺しに行きかねないので、始末したことは伝えていますが……」
「構わない。グレンも侍女の耳には入れたくないだろうしな。お前もそう思うだろう?」
「まぁ、赤子くらい丁重に扱ってますからね、赤子にお前の両親も姉も苦しみの末に死んだなんて、言わないでしょう」
「それにしても、来年は兵士を多めに取らないと、ハーミット家に関わった兵士は皆燃やされたことだし、手っ取り早くリグウォンから引き抜いていければいいんだが……」

 ダリウスは溜息を吐き、ドレスを選び終えると、小脇に抱えると立ち上がった。

「じゃあ俺はこれから、王家の膿取りで会えなくなる恋人のご機嫌取りに行かなくちゃいけないから」
「付きまといの間違いではなくて?」
「言ってろ」

 男は喉の奥で笑いながら扉へと向かっていく。キャロラインが「行ってらっしゃいませ、宰相様」と軽い調子で別れの挨拶を告げると、ダリウスは軽く手を挙げ、その部屋を去っていった。