【完結】吸血侯爵と没落メイドの囚われ初恋契約


「まず、呪具についてですが吸血鬼の目を眩ませ移動できるあの布は、罪人エーベル、そしてマリアの手によって灰となりました。そして当初の計画であったグレンに破壊させる予定の杭と銃ですが……」
「ああ、報告は来てる。銃から放たれた弾丸はグレンに当たり両方ともその役目を終え、杭は娘が自決に使用した後、グレンが破壊したんだろ」
「はい」

 ダリウスは、俯くキャロラインを肯定するように笑った。

「まぁいい。呪具が破壊できたんだ。これで王家の失態により呪具が破壊されたといういいシナリオが出来上がったまま、この国の膿を全て取り除くことができる。隣国にはいい知らせが出来そうだ」
「……今頃王家は隣国と戦になったとき、メアロードを使役出来ないことに恐怖を抱くでしょうね」
「はは己たちが粛清されることも知らずになあ。それに、戦争なんて起きない。隣国はそれを望んでいないからな。戦に怯えているのは周りの見えていない王族だけだろうさ。吸血鬼は同胞に対し、きちんとした節理がある。人間同士のように醜い争いなんかしない。それに、隣国の王太子は妃が懐妊したと聞いたからな。戦なんて余計やらないだろう」
「本当ですか?」
「ああ。国を挙げて盛大に祝うらしい。俺も招待状が届いた」

 ダリウスは机を軽く示した後、また箱を広げドレスを確認していく。キャロラインは思い出したように「ああ」と付け足した。