「俺が、もっとしっかりルネリアを見ていれば、手を離さなければ、良かったのに」
呪詛を吐くような声に、ルネリアは困ったようにキャロラインを見る。キャロラインは「何度も言ってるんだけど……」と前置きをした。
「呪具はさぁ、吸血鬼に対抗するためのものだから、移動用の布とかは吸血鬼が感知できないようになってるんだよ。でもグレンは布が現れたことを感知できなかったことを悔やんでいるみたいで……」
「グレン様……」
「俺のせいで、ルネリアは危ないところだった。死んでいたかもしれない……あの時手を離さなければ……」
グレンは縋るように、自分の中に囚えるようにルネリアを抱き込む。そんなグレンを見て、ルネリアは気持ちが落ち着くようにと自らもグレンを抱きしめる力を強くした。



