【完結】吸血侯爵と没落メイドの囚われ初恋契約


「俺はずっと、ずっと貴女が好きだった、貴女が好きで、貴女しか見えていなかった。けれど、俺は救えなかった」

 絶望の中、ルネリアに救ってもらったあの日、ルネリアに恋をしたあの日から、グレンはルネリアを徹底的に避けた。ルネリアの屋敷の傍に近づくことすらなかった。それは自分がルネリアに恋をしたことで、ルネリアを傷つけると思ったからだった。

 父親のように、愛する存在を傷つけてしまうことが恐ろしかった。隠れてルネリアの情報を得ることもしなかった。しかし、そうしていたことで、ルネリアが傷ついていたことを知らずに、ルネリアに救われてグレンは生きていた。全ての真実が明かされたのは、ハーミット家が没落した後だった。

 そうしてルネリアの身に起こったことを知ったグレンは、ルネリアを探し出し、侍女として仕えさせることで傍においた。