「すまない、ルネリア、貴女の手を、こんな薄汚い血で、穢してしまって……」
グレンは浅く息をしながら、ふらつくように身体を傾ける。ルネリアを巻き添えにしないよう、グレンはルネリアから手を離した。しかしルネリアはグレンの腕を掴み、何とか重力にあらがおうとする。
しかし抵抗むなしくグレンの身体は下へと向かうばかりだ。後ろでは、こちらに縄を投げろと、梯子をかけろと命令し、医者を呼ぶよう怒鳴るようなキャロラインの声が響く。
「手を離せルネリア、道連れにしてしまう……」
「嫌です、私はどこまでも、ずっと、あなたの、グレン様のおそばに……!」



