【完結】吸血侯爵と没落メイドの囚われ初恋契約


 先ほどより強く、ルネリアは声を荒げる。そしてグレンの腕に抱きつくようにしてその手を止めた。

「ルネリア……?」
「私はもう大丈夫ですから、生きてますから、グレン様。グレン様はこれ以上、何もしなくていいのです!」

 ルネリアはグレンを諭し、落ち着けるようにグレンを見つめた。そしてグレンの手を掴み、自身の胸に手を当てさせる。グレンの不安はこの行動は、きっと自分を失う不安を誤魔化す為ではないかと、ルネリアは思ったからだ。

 彼女は、グレンが訪れるまで、その力を振るうまでグレンが殺されることに怯えていた。そして自身が身を投げたことから、グレンを突き動かすものの正体がわかる。だからこそと、ルネリアは自身が生きていることを伝えるようにグレンの腕を握りしめた。