【完結】吸血侯爵と没落メイドの囚われ初恋契約


 今だってそれは変わらない、そうマリアは考え、ルネリアが紡ぐ許しの言葉を待つ。そうして許しを乞わせてからルネリアを打つことで、マリアはその憤りを発散させてきたからだ。

 しかし、ルネリアは黙ったままマリアを睨みつけるばかりで、許しを乞うどころか、何か言葉を紡ぐ素振りすらみせない。ルネリアはただ、睨むような、じっと敵を見据えるようにしてマリアを見るだけだ。

「何よ、自分は悪くないって言いたいの?」

 マリアの言葉に答えることなく、ルネリアはマリアを見る。やがていつまでも自身に許しを乞おうとしないルネリアに対し、マリアの怒りが頂点に達した。

 マリアはその鉄杭を振り上げると、ルネリアの頭めがけて振り下ろそうとする。その瞬間ルネリアは今が好機だと、マリアの元へその身体ごとぶつかった。