「メアロードに言ってやるんだよ。お前の大事な侍女を返してほしかったら僕たちのお願いを聞いてって。そして、言うことを聞かないなら呪具を使ってやるって。手っ取り早く呪具で脅すのもいいんだけど、でも、こちらが呪具を使う前に何かして来たら嫌でしょ? 速さでは勝てないし。だから君はその為の防波堤っていうわけさ」
かちゃかちゃと金属の音を鳴らしながら、エーベルは銃を指で弄ぶ。
あれを奪わなければ、グレン様が危ない。
ルネリアは何とかして周囲に何かこの状況を打開するものがないか確認していく。しかしマリアはそんなルネリアを嘲笑うように杭をちらつかせた。
「もしかしてお前、エーベルの銃さえ奪えば何とかなると思ってる?」
ルネリアは、マリアの確信したような声色に心臓が歪な音を立てて鼓動したのを感じた。見上げるようにルネリアが顔上げると、マリアは炎に照らされ鈍く光る杭をルネリアの胸元に突き付ける。



