【完結】吸血侯爵と没落メイドの囚われ初恋契約


「あんたを人質にして、融資をお願いするのよ。そして、私たちを平民として扱わないよう働きかけてもらうのよ」
「そんな、王家の決定を覆すことなんて、そう簡単に出来るはずが……」
「出来るわ。だってメアロードの当主様は吸血鬼なのでしょう?」

 意地悪い笑みを浮かべたマリアの言葉に、ルネリアは固まった。そんなルネリアを嘲笑うようにエーベルがルネリアに近づいていく。

「どうして知ってるって顔してるねえ、そんなの当然じゃないか。僕は王族だ。この国のことをよく知ってる。メアロードが吸血鬼で、代々王家の犬として戦に駆り出されていることも、どんなに力の強い化け物であっても呪具のせいで王家の言いなりってこともね」

 エーベルは「これがその呪具なんだけど……」と手に持っていた銃をちらつかせ、ルネリアはその銃を見入る。呪具。それは以前グレンが、ルネリアに話した言葉の中にあったものだ。王家に伝わる道具であり、そして、「不死身である吸血鬼を殺す」為のものであると。