グレンはじっとシアンの真意を探るように見る。シアンはそんなグレンの視線にたじろぎながら、愛想笑いを浮かべた。
「伝達……」
ルネリアをこのまま置いていくかとグレンは考える。相手はキャロラインの部下、仕事上、ルネリアに軍部の話を聞かれることは抵抗がある。仕事に関わる者をルネリアを関わらせることは、グレンにとってルネリアを崖の上に置き去りにすることと同義である。
かといってボックス席でルネリアを一人残すことも、ルネリアを一帯が燃え盛る火の海に置き去りにすることと同義であった。グレンの頭の中では。
「……ルネリア、お前は耳をふさいでそこに座っていろ」



